【30歳の葛藤】「自分の人生、まだ何もできていない」のに親になっていいのか?FIREを目指す僕たちの迷い

1. 冒険への未練と、「32歳」というデッドライン

 

夫:さよ夫
さよ夫
30代に突入して、時間の流れが今までとは明らかに違うと感じているんだ。特に「32歳」という年齢は、僕たちにとって大きな区切りだよね。
妻:フル美
フル美

ええ。2年後、私たちが32歳になるタイミング。ここで子供を授かりたいって話してるもんね。女性として出産のリスクを考えると、これ以上先延ばしにするのは勇気がいることだわ。

さよ夫

そうなんだよね。男性側としても、妻の体調や将来の家族の健康を考えれば、32歳というデッドラインは無視できない。でも、そうやって「タイムリミット」を意識すればするほど、自分の中の「やり残したこと」が叫び声を上げるんだ。

妻:フル美
フル美
自分の人生を使い切るための「あと数年」が欲しい自分と、家族の安全なスタートのために「今」動かなきゃいけない現実ね。私もそれはすごく考えることがあるわ。
夫:さよ夫
さよ夫
まさにその板挟みだよ。「あと5年、いや3年自由な時間があれば、夫婦で世界一周だって行けたのに」という後悔の種が、どうしても消えない。でも、妻にリスクを背負わせてまで自分の夢を優先するなんて、そんなの「愛する人を大切にする」という僕の信念に反する。この葛藤が、逃げ場がなくて一番苦しいんだ。

 

2. 「子育て」という責任の重圧を、どう捉えるか

 

妻:フル美
フル美
子供ができるということは、自分たちのリソースの多くを次の世代に注ぐということだものね。
夫:さよ夫
さよ夫

そうなんだ。親になる以上、子供を一番に考える責任がある。そうなれば、2人で行きたいねって言ってた「数ヶ月の海外放浪」なんて、物理的にも金銭的にも難しくなる。それに加えて、地域の行事や家事、育児……2人だけの自由な生活とは比較にならないほどの苦労と責任が、一気に押し寄せてくる。

妻:フル美
フル美
今の「自由な自分」を一旦横に置いて、誰かのために生きる覚悟ができるか、という問いね。
夫:さよ夫
さよ夫

正直に言えば、まだ自信がないんだ。「自分の人生をまだ何もできていない」と思っている僕が、すべての力を子供のために使い果たしてしまったら、いつか子供に対して「君のせいで僕は……」なんて思ってしまわないか。そんな気持ちで親になるのは、子供にとっても失礼で、かわいそうなことなんじゃないかって、自分を責めてしまうこともある。

 

3. 「楽しむ力」の賞味期限と、今しかできない投資

 

夫:さよ夫
さよ夫
よく「子供が独立した50歳くらいから、また夫婦で旅をすればいい」というアドバイスも聞くよね。でも、本当にそれでいいのかな?
妻:フル美
フル美
50代には50代の楽しみがあるけれど、30歳の今持っている「エネルギー」や、不便さえも楽しめる「好奇心」とは、質が違うかもしれないわね。
夫:さよ夫
さよ夫
そうなんだよ。人生において「楽しむ力」には、ある種の賞味期限がある気がする。32歳で子供が生まれる前に、本当は数ヶ月の旅に出たい。でも、今そのお金を旅に使えば、FIREという目標は遠のいてしまう。未来の安定(資産形成)を取るか、今しかできない体験(冒険)を取るか。この天秤が、ずっと揺れているんだ。
妻:フル美
フル美
だからこそ、あなたは今、副業やスキルアップに必死になっているのね。
夫:さよ夫
さよ夫

そう。あと2年という時間は短すぎるけれど、自分で稼ぐ力を身につければ、少しでも選択肢を増やせるかもしれない。お金と時間の主導権を少しでも自分に取り戻したい。それは、わがままなようでいて、実は「納得して親になるため」の僕なりの儀式なのかもしれない。

 

4. 資産形成は、自分を「完全に捨てない」ための防波堤

 

夫:さよ夫
さよ夫
今の僕が出している、「完全に納得はしていないけれど、一番前向きな結論」を言ってもいいかな。
妻:フル美
フル美
ええ、聞かせて。
夫:さよ夫
さよ夫

資産形成を頑張る理由は、単に「仕事を辞めるため」じゃない。「親になっても、一人の人間としての時間を確保するため」なんだと思う。資産が積み上がり、サイドFIREが見えてくれば、週5日フルタイムで働く必要がなくなる。そうすれば、仕事に奪われていた時間を「子供との時間」だけでなく、「自分のための時間」として分かち合えるはずだ。

妻:フル美
フル美
50歳になってから人生を再開するんじゃなくて、ずっと「自分」を消さずに走り続けるための、サイドFIREなのね。
夫:さよ夫
さよ夫
そう。それなら、今の僕も救われる気がするんだ。子供との時間を全力で楽しみながらも、傍らで自分の冒険の準備も進めていく。そんな欲張りな生き方を、戦略的に叶えていきたい。……でも、やっぱりこれって僕のわがままかな?
妻:フル美
フル美
ううん、私も全く同じことを考えていたわ。私も学生時代にマチュピチュで感じたあのワクワクを、親になったからって完全に封印して、ただ「お母さん」という役割だけで人生を終えたくないもの。
夫:さよ夫
さよ夫
フル美も、そう思ってくれていたんだね。
フル美
ええ。「子供のために自分を犠牲にするだけの親」になるんじゃなくて、「子供と一緒に人生を遊び尽くす親」でいたいの。 だから、あなたが稼ぐ力をつけて、私たちが自由な時間を手に入れることは、私自身の人生にとっても、これから生まれてくる子の人生にとっても必要なことよ。
さよ夫

ありがとう。二人で一緒に、欲張りに生きていこう。

 

【さよならフルタイム運営より】

「自分の人生を、まだ何も使い切っていない」 30歳という年齢でそう感じるのは、あなたがそれだけ自分の可能性を信じ、真剣に生きようとしている証拠です。

親になることは、自分を捨てることではありません。 けれど、日本という社会の中で「親」を全うしようとすると、どうしても自分を後回しにする同調圧力が働きます。

僕たちが資産形成に励むのは、その圧力から自分たちを守るためです。 お金で時間を買い戻し、親としての責任を果たしながら、一人の冒険者としての灯も消さない。

完全に納得できる答えなんて、すぐには出ないかもしれません。 でも、そうやって夫婦で泥臭く話し合い、悩み抜いたプロセスこそが、いつか子供に「お父さんはね、君を育てる時も、自分の夢を諦めなかったんだよ」と胸を張って語れる、最高の教育になるのだと僕は信じています。